マミー・トラック

労働時間や労働量等に融通をきかせる、働く母親のキャリア・コースの一つ。ワーキング・マザーの急増にもかかわらず保育環境が不十分であった米国で、フェリス・シュワルツ(1925-1996,NPOカタリスト初代代表)は1988年、女性の働き方を「キャリア優先」と「キャリア+家族」に分け、後者を望む女性に育児休業やワークシェアリング等の制度整備を企業に提案。これをジャーナリストが「マミー・トラック」と名づけた。仕事と育児の両立が図りやすくなり、多様な生き方・働き方の実現にもつながるとされる一方、育児は母の仕事とする性別役割分業意識や職場の男女不平等を助長するとの批判や、補助的業務を割り当てられ、結果的に昇進・昇格から遠くなるとも言われる。実際日本では、子をもつ女性の多くがファスト・トラック(出世コース)を諦めざるを得ず、勤労意欲を失い退職していく現実もある。(2015.6)

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月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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