ジェンダード イノベーションズ(Gendered Innovations)

研究開発において性差に着目することで、より良い技術革新をめざそうという概念。スタンフォード大学教授のロンダ・シービンガーが提唱し、欧州委員会の協力のもと展開された。ロンダ・シービンガーは、ジェンダード イノベーションズについて、科学分野におけるジェンダー平等に向けた3つの方法の3番目にあたり、「最新にして最強のアプローチ」としている。3つの方法とは、1.女性数の確保、2.制度の整備、3.知識の再検討である。例えばシートベルトを装着した妊婦が事故にあった場合、妊婦は助かっても胎児が死亡するという事故が報告されている。従来、妊婦が装着すると想定されておらず、研究開発の段階でユーザーの性別を考慮していれば防げたかもしれない事例である。また、すべての研究開発で成果を出すためには、研究助成金の提供条件や大学でのカリキュラムにジェンダード イノベーションズの概念が取り込まれていることを規定するなど、制度の整備も重要だといえる。(2019.6)

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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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