広告におけるジェンダー・ステレオタイプの規制(イギリス)
イギリスの広告基準協議会(ASA)は、2018 年、ジェンダー・ステレオタイプを描く広告を規制すると決定した。放送だけでなく、SNSやインターネットの広告にも適用される。「ジェンダー・ステレオタイプの描写は、あらゆる人の選択肢や機会を狭める、性別に基づく不平等を助長している」という研究報告に基づく。声明と同時に発表されたガイドラインに則し審査をする。ガイドラインには「役割で性別を表現しない」など、5つの原則とシナリオの例が挙げられている。シナリオは「男性がくつろぐそばで女性が掃除」「男性がおむつ替えに失敗」「女性が化粧を優先し会議に遅刻」「感情的な男性を軽蔑」など性別に関連づけられた描写や、体型、子どもの描き方など、具体的に示されている。性差別を解消するためにあえてジェンダー・ステレオタイプを表現する場合などを考慮し、文脈と内容を個別に審査するとある。また、新しい課題に対応するため、ガイドラインのモニタリングも行っている。(2023.8)
月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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- 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。