クオータ制(quota system)

社会的少数者差別の解消をめざす暫定的積極的差別是正措置(ポジティブ・アクション)の一つで、一定の人数や比率を割り当てる手法。「4分の1」を意味するクォーター(Quarter)とは異なる。ノルウェー男女平等法制定(1978)以降、政策決定機関での実質的男女平等実現に向けたジェンダー・クオータが広がっている。列国議会同盟(IPU)調べでは、法的拘束力のあるクオータ制採用国は2011年3月31日現在で51ヵ国。日本では第3次男女共同参画基本計画に推進を明記。国会議員に占める女性比率を上げるため各政党に初めて、インセンティブ付与、目標数値及び達成期限の設定等とともに、候補者割当導入の検討を要請した。女子差別撤廃条約は、こうした特別措置は差別ではないとしているが、法の下の平等(憲法第14条)に反する逆差別といった議論もある。有効・適切な方策を探ることが求められる。(2013.8)

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