UN Women(the United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women)
2010年7月、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントをめざす国連機関UN Womenが創設された。ジェンダー分野にかかわる既存の下記4組織を統合したもの。
① 国連女性の地位向上部(DAW):女性の地位委員会(CSW)をサポートする実質的事務局。1946年設立。
② 国際女性調査訓練研修所(INSTRAW):ジェンダー統計の調査・整備と、ジェンダーに敏感な能力強化のための事業を行う機関。1976年設立。
③ ジェンダー問題と女性の地位向上に関する事務総長特別顧問室(OSAGI):国連内の「女性とジェンダー平等に関する機関間ネットワーク」の議長を務め、事務総長に助言をあたえる事務局。1997年設立。
④ 国連女性開発基金(UNIFEM):途上国女性や女性への暴力撤廃のための資金援助機関。1976年設立。
新機関による権限・資金の統合は国連改革の一環であり、ミレニアム開発目標に向けての体制強化でもある。極端な貧困・飢餓の撲滅、妊産婦と乳幼児の死亡率削減、疾病の蔓延防止、初等教育と検診の普及はいずれも女性と女児への取組により進展が期待されている。
パン・ギムン国連事務総長は声明で「女性と女児の平等は基本的人権であるだけでなく、社会的、経済的規範であり、それゆえ最優先事項と位置づけてきた」と語った。UN Womenはチリのミチェル・バチェレ前大統領をトップに迎え、2011年1月始動した。日本は同機関の執行理事国に選出されている。理事国は全部で41ヵ国、任期は3年。(2010.11・12)
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