マイクロアグレッション(microaggression)

多数派からマイノリティに向けられる言動。コロンビア大学のデラルド・ウィン・スー氏は著書で「ありふれた日常の中にあるちょっとした言葉や行動や状況であり、意図の有無にかかわらず、特定の人や集団を標的とし、人種、ジェンダー、性的指向、宗教を軽視したり侮辱したりするような、敵意ある否定的な表現のことである」と定義した。micro(マイクロ)は極小、aggression(アグレッション)は攻撃という意味からわかるように、発する側は無意識で悪意がなく、無自覚なことが多い。受け手の経験によるため、マジョリティ性をもつ多数側は理解しづらく、「差別のつもりはない」「気にしすぎ」という反発も起こりやすい。しかし、マイクロアグレッションは日常的かつ継続的な場合があり、受け手への影響は大きく、また、社会のステレオタイプを強固にしていく面もある。マイノリティの経験や語りに耳を傾けることで、マイクロアグレッションは減らしていくことができる。(2023.6)

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月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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