ヘイトスピーチ(hate speech)

人種、民族、宗教、性別等のマイノリティ(少数者)を中傷し、憎しみや差別をあおる言動。日本では2000年代からネット上に差別的な書き込みが蔓延。その後、在日コリアンの人々を主なターゲットに、学校や居住地域に押しかけ、暴言を用いたデモや街宣活動を繰り返す団体も現れた。生活保護受給者、被差別部落出身者等も標的にする等、攻撃活動が全国的に広がり社会問題となった。国連は、2014年人種差別撤廃条約(1965年採択) の監視委員会勧告として、日本の状況を懸念し対策を求めた。これを受けヘイトスピーチ規制法が2016年5月成立、6月施行となった。日本の同条約批准(1995年)から20年余を経て、ようやく立法に至った点において意義深い。一方で、この法は罰則規定がない理念法で、ネット上の差別表現にも言及せず、実効性に課題を残す内容となった。(2016.10)

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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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