フェミニズム(feminism)

女性の地位の向上や性差別がない社会の実現を目指す思想と運動のこと。18世紀、欧州や米国で“市民”に自由と平等を保証する法整備が進められる中、“市民”の中に「女性」が位置付けられていないことを問題視し、イギリスでは女性参政権獲得運動へつながっていった。このような男性と同等の権利獲得を訴えた運動を第一波フェミニズムと呼ぶ。日本でも、第二次世界大戦前から戦後にかけて、イエ制度に抵抗した運動や参政権獲得運動があった。第二波フェミニズムでは、制度上は平等でもなお、女性が不当に扱われているとし、性別役割分業への批判や「産む・産まない」をはじめとした性の自己決定などを訴えた。日本でのウーマンリブがこれにあたる。第三派フェミニズムでは、ここまでの白人中産階級中心だったフェミニズムを批判的にとらえ、人種、セクシュアリティ、階級などの交差性に着目した。#MeToo運動をはじめとするSNSを中心とした運動は第四派フェミニズムとされる。(2024.10)

参考:
『ジェンダー事典』(ジェンダー事典編集委員会,丸善出版,2024)
『日本のフェミニズム―150年の人と思想』(井上輝子著, 有斐閣,2021)

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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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