ディーセント・ワーク(decent work)

ディーセント・ワークとは、「権利が保障され、十分な収入を得、適切な社会的保護のある生産的な仕事」のこと。「職業生活における人々の願望」「安心して働くことのできる仕事」とも言われる。
 1999年、ILO(国際労働機関)事務局長ファン・ソマビア氏は、グローバル化の進展による格差の拡大(国内での貧富の格差や各国間の所得格差)から、21世紀の中心的活動目標として、労働者の人権・権利を軸に据えたディーセント・ワークの確保を提案した。
 ディーセント・ワークの達成には、4つの戦略目標「①仕事における権利②雇用③社会的保護④社会対話」が掲げられ、これらに向けた対策を統合して行うことが必要とされている。中でもジェンダーは労働諸制度に組み込まれている問題であるため、全てに関連する重要課題として位置づけられている。
 ディーセント・ワークの不足は、失業、不完全就業、質の低い非生産的な仕事、危険な仕事と不安定な所得、男女不平等などにつながる。経済競争激化を背景に、労働者の人権軽視の状況は否めない。持続可能な社会をつくりだすためにも、労働を人権の視点から見直すことが必要である。(2008.4)

月刊『We learn』2017年6月号<学びのスイッチ>には、田口晶子さん(ILO駐日代表)の解説を掲載しています。
ご購入はこちらから

月刊『We learn』を見る


一覧に戻る