少子化対策プラスワン
厚生労働省が2002年9月に打ち出した政府の新たな総合少子化対策。少子化の主な要因としては晩婚化等があげられるが、2002年1月発表の「日本の将来推計人口」で、夫婦の出生力そのものの低下という新たな現象が加わり、これまで以上の少子化の進展が予測されたことから、少子化対策推進基本方針(1999年策定)の下での具体的実施計画として策定された新エンゼルプランに加え、もう一段(プラスワン)の少子化対策を講じたものである。4つの柱〔①男性を含めた働き方の見直し ②地域における子育て支援 ③社会保障における次世代支援 ④子どもの社会性の向上や自立の促進〕に沿って、社会全体が一体となって取り組むことが求められている。これまでの少子化対策は「仕事と子育ての両立支援」が中心であったが、男性を含めた働き方の見直しや、専業主婦も対象にした子育て支援の充実など一歩踏み出した内容になっている。中でも注目されるのは、育児休業取得率を男性10%・女性80%に、子どもの看護休暇制度普及率を25%に、小学校就学の始期までの勤務時間短縮等の措置普及率を25%に、など具体的な数値目標を掲げたことである。 この「プラスワン」を踏まえた関連法の一つとして、地方自治体や大企業に行動計画策定を義務付け、子育て環境の改善を促す「次世代育成対策推進法」の成立につながった。(2003.4)