コミュニティビジネス(CB)

市民が主体となって、地域が抱える課題をビジネスの手法により解決し、地域再生を通して得た利益を地域に還元する事業の総称。収益性と事業拡大に力を注ぐ企業に対して、市民活動は地域貢献などのミッション(目的)を最優先とする。その両方の利点を生かすのがコミュニティビジネス(CB)である。法人格や資格の有無は問わず、地域性・社会性と事業性・自立性を備えた地域事業体であれば、NPO・会社・組合・個人だれでも手がけられる。CBには、地域の特性を生かした新しい地域づくりや商店街の活性化、顔の見える地域社会の人間関係の再生などを事業化することが期待されている。採算が合わず企業が見向きもしない、地域と密着した小規模の隙間的事業が多く、人のネットワークを基盤とした柔軟な発想が歓迎される。また継続した事業を収入を得て運営し、地域での雇用創出、かかわる人の生きがいづくりにも貢献するなど、お金社会一辺倒から脱して充実したライフワークをつくり出す要素が重要とされる。CBにおける働き方の調査(厚生労働省実施,2004年)によると、事業所は約7割がNPO法人、従業者は中高年齢層(40歳以上)が約8割、女性が約6割。地域活動を担ってきた女性たちにとってCBは身近な関心事である。しかし立ち上げ代表者の7割が男性で、無償ボランティアも多いという現状から見て、ジェンダー問題を内包する組織が多いことは今後の課題である。(2006.4)

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月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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