AV出演被害防止・救済法(AV新法)
AV出演被害防止・救済法を求める会などの後押しを受け、2022年6月に成立・施行された。法案成立のきっかけはAV出演強要などの問題に加え、同年4月に成人年齢が引き下げられ、親の同意なく契約した映像の販売や配信を止める民法上の「未成年者取り消し権」が無効になるなど、高校生を含む被害者が増加する懸念からだ。
AV新法では、契約書の交付、撮影・公開時期など、罰則を含め業者側に規定を設けている。また「撮影時の安全確保、嫌な行為を断れる、事前の内容確認」、「撮影に同意しても公表から1年間は無条件に契約を解除できる」など盛り込まれた。出演強要から被害者を守る内容だが、施行前後から、性行為に金銭が支払われる行為を合法化することへの違和感や、性産業従事者たちからの反発など、さまざまな立場から声が上がった。しかしながら、まずは被害者を生まない法律が必要であり、同時に、性産業の現場の労働条件をよりよく整えることも重要である。(2022.11・12)
月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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- 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。