月刊『We learn』2002年4月号(No.594)

特集:
提言
「女性の学習」を問いなおす/入江直子
活動情報
2001年度「女性の学習の歩み」研究セミナー・報告
活動情報
2001年度「女性の学習の歩み」入選レポート・抄録
「私が女性差別撤廃条約と出会うまで」/藤崎由紀子
シネマ女性学
『サンキュー,ボーイズ』
アメリカ映画/ペニー・マーシャル監督
頑張れ!ヤング・ママ/松本侑壬子
We learn情報
たどり着いた自主的学びの場
「女性教養」を読む学習会―“えんぱわーメイト”/合田美津子
Women’s View
「女性教養」とともに/小柳清
「女性教養」と私/赤星まゆみ
このひと
高橋由為子さん(イラストレーター)
「新子育て支援ー未来を育てる基本のき」イラスト担当
きょうのキーワード
自己決定型学習
資料情報
パンフレット『新子育て支援ー未来を育てる基本のき』
巻頭言
主体的な学びに向けて
藤原房子(財団法人 日本女性学習財団理事長)
「We learnって何?」たった今、本誌を手にされて「おや」ととまどった方がきっとおいでだと思います。既に3月号で予告はいたしましたが、今月号から「女性教養」をこのタイトルに変更することにしました。長年ご愛読いただいた方は「なぜ」と思われるかもしれません。日本語の方がいいのに、キリッとした四文字熟語を、何だか風格に乏しい、「教養」が再評価され始めた時期に―などという声が聞こえそうです。
「女性教養」は昭和27年に創刊されてからちょうど50年になります。戦中・戦後にかけての激変と混乱を乗り越えつつあった当時は、敗戦直後の女性の社会進出の熱気がなお渦巻いており、女性の力の充実が今以上に強く求められていました。教養という言葉はこうした時代の空気の中で、女性の願いを象徴し、基礎的な学識の習得によって見識を高めて社会に出ようとする志をこめたキーワードでした。
さて当財団は今年で創立満60年を迎えました。時代と共に学習の目的、学びの実態と環境などは大きく変わっています。そこで21世紀を機に財団の寄付行為(規則)を検討し、女性自身と時代の要請する事業のあり方をはじめ、使われている言葉についても全面的に見直した結果、組織の名称を4月から「日本女性学習財団」に改めることにしました。それに合わせて機関誌の名称も、事業の性格がわかりやすく伝わるように、また若い世代を含めて幅広い層の方々により親しんでいただけるようにと考えたわけです。
現代は一段と多様な分野、境遇、年代にある女性たちが、力をつけるための学習の必要を自覚し、自らの気づきや、より適切で有効な手法での学習を、日常の場でそれぞれが開拓する時代に入っていると思います。「We learn」はその営みを総称する合言葉となり、学びへのきっかけづくりや全国的な情報交換の場としてお使いいただけるように、との思いをこめて選びました。今後も一層のご鞭撻をお願い申し上げます。
プロフィール
1930年生まれ。(財)日本女性学習財団理事長。日本経済新聞編集委員、商品科学研究所所長を経て1997年から現職。1979年に著書『手の知恵』により第1回サントリー学芸賞。1991年日本記者クラブ賞。公職として生活環境審議会、地方公務員制度調査研究会等の委員ほか。著書『老いを美しく』『女は中年から楽しい』、共著に『都民女性の戦後五十年』ほか。月刊「Welearn」CONTENTSへ
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