Vチップ

テレビの暴力シーンや性的シーンを自動的に画面上から消す装置。1996年にカナダの有線テレビ業界が開発した。Vはバイオレンス(Violence)を指す。番組はテレビ局によって何段階かの過激度にランク付けされ、テレビに搭載されたVチップがこの信号を読み取る。視聴者によってあらかじめセットされたランクを超えると、映像が自動的に消される仕組み。欧米諸国では、女性の裸や暴力表現に対する規制は我が国よりはるかに厳しい。カナダではすでに、1996年9月より正式にVチップ放送が始まった。アメリカでも同年、新通信法によって導入が決定。主要な放送会社ではVのほかにS(セックス)、L(下品な言葉づかい)、D(性的なきわどい表現)の表示も取り入れている。最近の凶悪な少年犯罪の多発をきっかけに、日本においてもテレビの暴力場面等への批判が高まっており、このシステム導入をめぐる議論が活発化してきた。1998年中央教育審議会答申「幼児期からの心の教育の在り方について」では、Vチップ導入について関係業界や関係省庁で検討することが提言された。(1998.7)


月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
より多くの方々にご活用いただけることを期待しています。

  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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