男女平等オンブズマン/オンブズパーソン

スウェーデンで「男女の雇用平等法」が1980年に施行され、同時にこの法律を見守る公的機関の監視役として「男女平等オンブズマン(行政監視官)」が世界で最初に誕生した。内容は、雇用に関して中年からの昇進や地位に関する苦情、家事・育児のためのパートタイマーが同じ職場に復帰したときの差別、セクシャルハラスメント等で、オンブズマンは個人や組合に代わって労働裁判所に訴訟を起こすこともある。我が国では、1996年男女共同参画審議会答申「男女共同参画ビジョン」で国内本部機構の新たな機能として男女平等にかかわる問題の解決に当たるオンブズパーソン(オンブズマンの両性形)について検討すべきであると指摘され、1999年「男女共同参画社会基本法」に苦情の処理のために必要な措置を講じるとされているが、専門機関の設置には至っていない。地方自治体においては、埼玉県が全国に先駆けて男女共同参画推進条例に苦情処理機関の設置を明記し(2000年3月)、オンブズパーソンにあたる苦情処理委員を置いた。(1994.2)


月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
より多くの方々にご活用いただけることを期待しています。

  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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