摂食障害

拒食症、過食症など、摂食行動において異常をきたす病態をいう。若い女性、特に思春期の女子に多くみられる。摂食障害の診断基準については、次の6つの基準:①標準体重の-20%以上のやせ ②食行動の異常(不食、大食、嘔吐、隠れ食いなど) ③体重や体型についての歪んだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など) ④発症年齢30歳以下 ⑤無月経(女性の場合) ⑥やせの原因として考えられる器質性疾患がない(心因反応による一時的な摂食低下やうつ病・精神分裂症による一時的な摂食異常とは区別)-が示されている(厚生省:神経性食欲不振症調査研究班による)。現代のスリム志向の中でやせ願望は一般化してきているが、ダイエットがきっかけとなり、それが極度に行き過ぎることが、摂食異常の起因となる。背景には、家族・社会・文化などさまざまな発症要因が考えられている。例えば、学校や家庭のストレスから大人になることへの不安を感じ、子ども時代の体型に戻ろうとする身体反応(成熟拒否)、あるいは自分の女性性を受容できず、思春期における女性らしい体型変化を拒否する反応(女性性拒否)など。女性性拒否については、個人的要因だけでなく、社会的要因、つまりジェンダーの問題が深くかかわっていることも見逃せない。(1998.11)

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