ジェンダー・ブラインド

ジェンダーの「差」や「違い」にあえて着目しない「男も女もない、同じ人として」という発言に代表される考え方や態度のこと。人種差別を解消する中で使われた「人種は関係ない、人間はみな同じであり、人類の平等実現のためには人種に注目しないほうが良い」とするカラー・ブラインドと似た考え方や態度とされる。どちらも、差別・偏見なく平等を重視しているような表現だが、実際の差別や現実に起きている不平等をないこととして扱い、現状を維持する場面で使われるために注意をする必要がある。「ポジティブ・アクション/アファーマティブ・アクション(積極的改善措置)」として、意思決定の場の女性割合を上げる「クオータ制」や、女性の議員を増やす方策「パリテ」の議論の際などに、ジェンダー・ブラインドが起きやすい。「差」や「違い」を現状に則して認識し、政策に反映すること、学校、職場、家庭などでも意識を向けることが、ジェンダー平等社会の実現に不可欠である。(2024.7)

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月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
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  • 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。

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