グリーンツーリズム
都市で暮らす人たちが農山村で農業体験や宿泊などをしながら、自然と親しみ、かつ地域住民と交流する余暇活動をグリーン・ツーリズム(green tourism)という。ヨーロッパで発達した農村での休暇システムのことで、1990年ごろから日本でも関心が高まってきた。1995年にはグリーン・ツーリズム法(正式名称:農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律)が施行され、①農村の活性化、②農村の環境保全、③ゆとりある都市住民の余暇活動という3つの目標を掲げて、都市と農村の交流促進を図る取組が進められている。社団法人農山漁村女性・生活活動支援協会では1995年から毎年、グリーン・ツーリズムを農業経営の一部として取り入れてみたいという農山漁村の女性を対象に、グリーン・ツーリズム専門家養成講座を開講。2001年には女性主体のグリーン・ツーリズム事例集(修了生の中で実際に開業した44事例をまとめたもの)を作成した。今、全国各地で、農家民宿や農家レストラン、農産物加工・販売など、その地域ならではの特色を生かした経営展開に取り組む女性たちが増えつつある。グリーン・ツーリズムは余暇活動や自然回帰、地域おこしなどさまざまな要素をもつが、農山漁村の女性たちの自立を拓く手だてとして、今後ますます注目されることだろう。(2004.5)