キャリア支援デザイナー

キャリア支援デザイナーの声

キャリア再起に
寄り添う支援を

誰ひとり取り残さない社会をめざして

佐藤 美礼 さん さとう みゆき

神奈川県 SJキャリア研究所代表、大学講師

専門分野

ミドルシニアのキャリア・セカンドキャリア/
企業でのキャリア・管理職・研修/DV・デートDV・ハラスメント

キャリア支援デザイナーに応募した理由は?

キャリア支援デザイナーに応募をする以前は、民間企業を経てキャリア採用で公務員として働いていました。男女共同参画を推進する部署で女性活躍、ダイバーシティ、ハラスメント防止などの事業を担当しました。職場で月刊『We learn』を購読しており、読者として日本女性学習財団に出合いました。当時は行政施策を通じてキャリア支援やハラスメント対策などに携わる機会がありましたが、相談者に直接的にはコミットできず、公務の範囲での支援に限界を感じていました。同時期にプライベートでは結婚や家族の介護なども重なり、新たなキャリアを模索することに。公務員時代にはできなかったアプローチで「キャリア再起」を支援しようと決意し、産業組織心理学や経営学などを学び直しました。そのうえで、現在の道に踏み出す一歩として、キャリア支援デザイナーとなることを決めました。社会に声をあげられるよう、財団と一緒に活動していきたいと考えたことが大きな理由です。

ご自身のこれまでの活動を教えてください。

キャリア支援デザイナーとなり、「キャリアの挫折の乗り越え方」をテーマにした企画協働事業を実施しました。就業困難に陥っている方々に、心を削らない生き方や支援についてお伝えし、ピアサポートにつながるグループワークや支援機関の情報を提供しました。さらに、NPOと連携してキャリアコンサルティングも行い、具体的支援につなげました。また、ハラスメント被害でキャリアを失った方々の再起を支援する講座も財団と実施しました。本講座は国際女性会議のサイドイベントに登録され、全国紙にも掲載されるなど、ハラスメント被害者のキャリア再起支援の重要性を社会へ発信する機会となりました。最近では、キャリア支援の世界的潮流である「社会正義(Social Justic)」をテーマに、誰ひとり取り残さない社会をめざし、国家資格キャリアコンサルタントの活動を支援する講座も開催しました。現在は大学で教鞭を執るほか、企業からのお声がけにより、キャリア研修やメンタルヘルス研修、ウェルビーイング経営支援も行っています。自治体や公的機関からのご依頼も多く、参加者の方が「当社の研修もお願いしたい」とご指名くださるなど、出会った方々とのご縁で活動が広がっていきました。

<キャリア再起セミナー>
毎回、ハラスメントや育児・介護等で就業に悩む方々が多数参加し、新たな一歩を見つけていく。

キャリア支援デザイナーになってよかったことを教えてください。

財団は「支援者のための支援」を担ってくださっていますが、特にフリーランスなど組織に属さず孤軍奮闘している支援者にとって心の拠り所であり、大切な居場所となっています。一人では声が届けられない場所にも、財団を通して、社会とつながり参画できるようになりました。私自身は、キャリア支援デザイナーとなり活動することで、社会を信じる気持ちや希望を持ち直すことができました。「諦めずに行動していくことで、組織や社会を変えることができる!」そのように前向きに思えるのも、財団をはじめ応援してくださる皆さんのおかげです。私たちは非力だけれど無力ではない、と気づかせてくれたことも大きな財産です。

これからの目標やチャレンジしたいことを教えてください。

「キャリア再起」は私の人生のテーマであり、天職です。同じ志を持つ支援者と連携し、キャリア再起に特化したプラットフォームを立ち上げ、生きづらさ、働きづらさを感じている方々の支援の場をつくりたいです。特に、私自身も経験した介護やハラスメント問題によるキャリア危機に対し、専門性の高い支援者を育成することが目標です。また、就業危機に直面すると希望を失いがちですが、「キャリア」とは仕事だけではなく人生すべてを意味します。幸せな人生を立て直すためのアプローチとして、音楽、旅、文学、美術などを通じたキャリア支援も提供したいです。財団の女性のためのシェアオフィス「Office We learn」を活用したワンストップ的な支援も考えています。困難な現実にぶつかることもありますが、私の大好きな言葉「Life is Beautiful」をモットーに、「それでも、人生は美しい」と信じて、活動を続けていきたいと思います。

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