デジタル・フェミニズム
女性が精神的・経済的に自立して、主体的に行動することをフェミニズムと呼び、コンピュータのようなデジタル機器を、女性にとって有利に使って、社会の中で主体的に生きることを「デジタル・フェミニズム」と呼ぶことを、大橋照枝(麗澤大学国際経済学部教授)さんが『女性のためのパソコン活用術』(岩波ブックレット、1996年)で提唱した。情報化社会の進展は私たちの生活を大きく変えつつある。連日、マスコミのIT関連報道に拍車がかかっている現状で、パソコン、パソコン通信、インターネットなどマルチメディアに関する情報があふれ、多くの女性たちは「情報弱者」という大きな網をかぶせられている。また、小・中学校の授業でパソコン教育が本格的に取り上げられているが、年齢、世代間のギャップも大きくなると予想される。こうした状況の中で女性自身がパソコンを駆使し、子育て・料理といった分野だけでなく、女性の仕事を創出し、経済的に自立していく新しい活動が着目され、広がり始めた。女性たちが自分の抱えている問題を客観化し、仲間たちと行動する「デジタル・フェミニズム」の広がりが期待される。(1996.11)
月刊『We learn』に1992年5月号から連載している「きょうのキーワード」を掲載しています。
より多くの方々にご活用いただけることを期待しています。
- 解説文末( )内は、月刊『We learn』掲載年月です(情報はその時点のものです)。また、HP用に新たに取り上げた用語は「追加」としました。