有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)
Toxic masculinity。有害な男性性とも訳される。アメリカで使われ始めたとされ、ニューヨークタイムズの記事「What Is Toxic Masculinity?」(2019)が引き合いに出されることが多い。有害な男らしさとは、「感情を抑えつらいと言わない」、「表面的なたくましさ」、「力をはかるための暴力性」だと記事にあり、銃乱射事件など凶悪事件の犯人が白人の男性に多いことから定義された背景があった。職場や学校、家庭、地域などの慣習の中や、男性としての特権をもつことで、有害な男らしさを身につけるという構造がある。その結果、男らしいとされないマイノリティの排除や横暴にふるまうことでの力の誇示、また、女性へのDV・性暴力、あるいは過度な配慮など、さまざまな弊害が挙げられる。近年では“男性はこうあるべき”という古い価値観も指し、男性自身を苦しめるという視点からも語られている。ジェンダー平等を実現するには、有害な男らしさに気づくこと、再生産しないことが重要である。(2022.10)
参考:
ニューヨークタイムズ「What Is Toxic Masculinity?」
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