キーワード・用語解説

母体保護法

1996年の法改正で名称が「優生保護法」から「母体保護法」となった。1948年に公布された優生保護法の「不良な子孫の出生を防止する」という優生思想に基づく差別的な部分も改正された。第1条に「不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定めること等により、母性の生命健康を保護することを目的とする」とあるように、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツにかかわる重要な法律だが、問題も指摘されている。たとえば、第14条には、「医師(以下「指定医師」)は、(略)本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる」とある。パートナーの同意を求めることについては、女性の自己決定権を奪うものとして女子差別撤廃委員会からの勧告を受けた。また、中絶できるケースについても、身体的、経済的に困難な場合や、強制性交による妊娠などに限っている。ほか、日本では明治時代に規定された堕胎罪も残っていて、早急な法整備が求められる。(2023.2)

参考:
母体保護法
第7回及び第8回報告審査に関する女子差別撤廃委員会からの質問事項に対する回答 <仮訳>(2015年12月時点)

  • フリーワード検索
ENGLISH サイトマップ キーワード・用語解説