Femicide(フェミサイド)
女性であることを理由にした殺害のこと。女性嫌悪殺人とも訳される。WHO(世界保健機構)が2012年に発表したレポート「Understanding and addressing violence against women」で、フェミサイドを定義し理解や対策を求めた。2016年には韓国で女性を狙った「江南事件」に対して、女性嫌悪による殺人だとフェミサイドに抗議するムーブメントが起きた。日本では2021年8月に小田急線車内で、大学生らへの刺傷事件が起きた。加害者の男性が「幸せそうな女性を見ると殺したくなった」と動機を述べたことから、この事件についてネット上でフェミサイドという言葉が使われるようになった。この事件に対しては日本でも、デモや署名活動など抗議活動が起きた。まずは女性であることが殺害の動機になった事件をフェミサイドという言葉で表し、犯罪が加害者個人の特性だけでなく、ジェンダーに起因するものだとわかりやすく伝えることや、過去の事件をフェミサイドとして見直すなどの実態把握が求められる。(2021.11・12)