キーワード・用語解説

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

PTSD(心的外傷後ストレス障害=Post-Traumatic Stress Disorder)とは、トラウマ(心の傷)となる体験をしたことにより発病する精神障害の一つ。かつて米国で、ベトナム戦争後帰還した兵士が、次々と精神的不調を訴えたことから社会問題となり、疾病として具体的に認知された。トラウマとは“生命や身体に対する深刻な脅威となる出来事”で、事故や災害、事件、戦争など(具体的には、性的暴行、誘拐、強盗、テロなどの犯罪や、地震や洪水のような自然災害、戦闘体験など)が挙げられる。また、DVや児童虐待でもPTSDが問題となっている。症状は、被害者の性格や出来事の状況によって一様ではないが、特徴的なものとして、「自分が自分でないような感覚に陥る(離人感)」「感情の動きがなくなる(失感情)」「生きている気がしない」「人前に出られなくなる」「出来事の情景がふいに頭の中をよぎり感情の収拾がつかなくなる(フラッシュバック)」「不眠などの睡眠障害」「めまい、吐き気、動悸、失神や発熱などがおこる(パニック障害)」「訳もなくイライラしたり怒りの感情がわく」「やる気が起こらずに集中力を欠く」「些細な物音に驚いたりおびえたりする(極端な驚愕反応)」などがある。PTSDではこのような症状が1ヵ月以上続いていることが前提で、顕著な苦痛を生じて日常生活に支障を来たすようになる。治療には、薬物療法・精神療法などがあるが、被害者への精神的ケアやカウンセリングが重要になっている。(2001.7)

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