キーワード・用語解説

「婦人」と「女性」

「婦人」という用語を女性問題の視点から「女性」に言い換えよう、という社会的な動きがあった。その理由として、1)「婦人」は既婚の成人女性のイメージが強く、女性問題解決の視点から広く女子、未婚の女性を含め、女性としたほうがよい 2)婦人には男・女、男性・女性、男子・女子、亭主・女房、紳士・淑女等のような対語がない 3)漢字の由来から「婦」は「女」と「帚」(箒の象形)との会意文字であるとの解釈がある、等が挙げられた。総理府の婦人問題企画推進有識者会議意見(1990年)では、早急に改正が困難である法令に基づく用語・固有名詞等を除き、女の人を表す用語を使用するときは、「婦人」ではなく「女性」の用語を使用するべきではないか、という意見が出された。以降、この意見を踏まえて総理府(現内閣府)の婦人問題関係の報告書等では、法令に基づく用語・固有名詞等を除き、「女性」の用語を使用している。また、地方公共団体では、担当組織等の名称を「婦人」から「女性」に、婦人会館を女性センターに変更する動きが加速化した。用語を変えることによって人々の意識が変わる、という意味から「婦人」は「女性」に変わる趨勢にあったと言える。(1993.9)

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