キーワード・用語解説

アウトリーチ(outreach)

「外へ(out)手を伸ばす(reach)」という意味のアウトリーチは、社会福祉の分野で、支援機関が通常の枠を超えて手を差し伸べ、支援を届ける取組の意味で用いられてきた。困難を抱えながらも支援の必要を自覚していない、相談意欲がない、支援拠点に足を運ばない人の場合、従来の施設型支援から取りこぼされることが多い。アウトリーチはこうした潜在的なニーズとつながる手法として開発された。
 最近ではさまざまな分野でアウトリーチの取組が必要とされ、その意味は広がりを見せている。
 不登校や非行、ニート、引きこもり等の若者への対応では、主に訪問支援をアウトリーチと言っている。
 子育て支援では、要支援家庭に対する保健師等の訪問支援は以前より行われてきたが、子育て環境の孤立化等を背景に、予防支援の重要性が認識されるようになり、誰もが立ち寄れる場を提供するひろば事業もアウトリーチの一環とされる。
 芸術文化や教育、科学技術の分野においては、出前講座や出張コンサート、施設公開やホームページの充実等を指し、知識や情報の発信・普及と同時に説明責任の一環と捉えている。
 近年では、双方向的なコミュニケーションが重視されることから、一般社会の意見を汲み取って活動に反映していくこともアウトリーチの意義と考えられている。 (2009.1)

  • フリーワード検索
ENGLISH サイトマップ キーワード・用語解説