キーワード・用語解説

パパクオータ制

父親に一定の育児休暇を取得するよう割り当てる制度(Papa Quotaのクオータとは割り当てを意味する)。子どもを養育するための育児休業制度は、男女両方に保障されているが、実際には男性の取得は非常に少ない。このような状況を解消するために考え出されたのが「パパクオータ制」である。1993年、世界に先駆けてこの制度を導入したノルウェーでは、所得補償率100%で42週間の育児休暇が保障されており、その間、男性は最低4週間の休暇を取ることが義務付けられている。もし男性が休暇を取らない場合、その分の休暇は差し引かれる。また男性が女性より多く休暇を取ることも可能である。導入前の男性の取得率は5%程度であったが、現在では80%以上が取得していると報告されている。我が国では1992年から育児休業法(1995年に「育児・介護休業法」に改正)が施行されたが、所得補償率は40%で、取得方法も柔軟性に乏しいため、男性の取得率は0.50%と極めて低い(厚生労働省「平成17年度女性雇用管理基本調査」)。次世代育成支援対策推進法(2003年成立)によって、仕事と子育ての両立を図る具体的行動計画策定が地方公共団体および企業に課せられるなど、種々の対策が講じられているが、男性の育児参加促進には、「パパクオータ制」も視野に入れた現行制度の抜本的見直しを望む声も多い。(2004.7)

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