キーワード・用語解説

ストーカー行為規制法

社会問題となっているストーカー行為を規制、処罰する「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が2000年5月に公布、11月から施行された。同法では、ストーカー行為の定義を「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかった怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者やその配偶者等密接な関係のある者に『つきまとい等』の行為をすること」としている。具体的には、1)つきまとい、待ち伏せ、進路妨害、住居等での見張りや押し掛け 2)行動監視をしていることを告げる 3)面会・交際等の要求 4)著しく粗野・乱暴な言動 5)無言電話・連続ファックスの送信 6)汚物・動物の死体等の送付 7)名誉を害する言動 8)性的羞恥心を害する文書・図画等の送付、が挙げられ、これらの行為を同一の者に反復して行うことを「ストーカー行為」としている。被害者からの申し出があった場合、警察本部長等による警告や公安委員会による禁止命令を出すことができる。緊急を要する場合は仮の命令(聴聞または弁明の機会を与えることなく発動。有効期間は150日間)を出すことができる。罰則は6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金(被害者の告訴による親告罪)。禁止命令等に違反した場合は加重罰や罰則が科せられ、最高で1年以下の懲役または百万円以下の罰金。同法については、被害者の訴えを警察等が軽視・黙殺した場合被害者に対抗手段がないことや、「恋愛感情」に限定したことで男女関係以外のケースが対象とならないこと、また刑罰が軽いこと等を懸念する声もある。(2000.9)

改正ストーカー行為規正法

 近年のストーカー行為等の実情に鑑み、第183国会において2000年の施行以来初めての改正が行われた(2013年7月3日公布)。改正点は以下の通り。

  1. 拒まれたにもかかわらず連続して電子メールを送信する行為を「つきまとい等」に加える。
  2. 申出をした者の住所・居所地だけでなく、加害者の住所・居所地、ストーカー行為が行われた地を管轄する公安委員会・警察本部長等も、禁止命令、警告又は仮の命令等をすることができる。
  3. 警告や禁止命令等をしたとき、警察及び公安委員会等は速やかに申出をした者に通知しなければならない。また、申出を受けたにもかかわらず警告や禁止命令等を出さない場合は、警察及び公安委員会等はその理由を申出をした者に書面で通知しなければならない。
  4. 国・地方公共団体は「婦人相談所その他適切な施設」による支援に努めなければならないこと、また、ストーカー行為等防止啓発・防止に関する活動を行う自主的な民間組織を支援するための財政上その他の必要な措置を講じなければならないこととする。(2013.7)

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