キーワード・用語解説

ワーカーズ・コレクティブ

ワーカーズ・コレクティブ(Workers Collective)とは、地域社会に必要なモノやサービスを市民自身の「労働」によってつくり、提供する事業形態である。雇用労働ではなく、参加者全員が出資者・労働者であり、組織運営など経営のすべてにかかわる。また、営利の追求を第一の目的とはしない、非営利事業体でもある。相互扶助の精神の下、地域社会の発展に貢献することを目指している。1980年代に生活クラブ生協を母体とするワーカーズ・コレクティブが次々と結成され、先駆的役割を果たした。社会的・経済的自立を目指し、自分の生活スタイルにあった「もうひとつの働き方」として、共同購入運動に参加していた主婦層を中心に広がっていった。全国で約480団体ほどあり(2005年現在)、地域的には首都圏が最も多い。全国的なネットワークとしては、ワーカーズ・コレクティブ・ネットワーク・ジャパン(W.N.J)がある。業種は、食品関係(弁当、惣菜、パンの製造等)、在宅福祉サービス(食事サービス等)、生協の業務委託(戸別配送等)、企画編集、リサイクルショップ、エコロジーショップなど多岐にわたっている。男性主導の産業社会が行き詰まりを見せている今、真の生活の豊かさをつくる事業としてワーカーズのあり方は注目されるところだが、若い世代や男性も含めた幅広い層の選択肢になるためには、事業拡大を可能にする法制度改革が必要となっている。また労働に見合った給与評価のシステムづくりも課題である。(1999.4)

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