男性学(men's studies)
男性ゆえに抱えるさまざまな問題を研究する学問。「女性学」に触発される形で、1970年代アメリカで始まった。日本では、80年代から「男性学」を取り上げた書籍が刊行されるようになる。90年代には、男性の過労死や少年のいじめ自殺が問題になる中、「一家の稼ぎ手」「泣いてはいけない」等、男性に期待される「男らしさ」を問題視して、「鎧を脱いで」「自分らしく」といったメッセージで解放をうたうメンズ・リブが起こる。こうした男性に対する社会的抑圧の研究が進む一方で、男性優位の社会構造が生む女性差別や、性暴力・DVとなって顕著に現れる男性の「権力性」に対しては無自覚であるという批判も起こる。近年男性の非正規化や介護離職の増加によって、男性内の差異や不平等が顕在化する中、多様な生き方、多様な価値観を提示していくことが新たな課題で、「男性学」の研究の深まりが期待される。(2016.2)
参考:内閣府
月刊『We learn』2016年2月号 特集:共生社会に歩む男性たち
関連用語
女子差別撤廃条約実施状況報告書
社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)
社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)
ヘイトスピーチ(hate speech)
Femicide(フェミサイド)
有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)
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