キーワード・用語解説

グローバル・コンパクト(global compact)

グローバル・コンパクトは、世界経済フォーラムで国連事務総長が提唱したイニシアティブ(推奨基準)である。企業の社会的責任(CSR)のガイドラインとも言え、4分野10原則を掲げる。

<人権>
原則1:人権擁護の支持と尊重
原則2:人権侵害への非加担
<労働基準>
原則3:組合結成と団体交渉の実効化
原則4:強制労働の排除
原則5:児童労働の実効的な排除
原則6:雇用と職業の差別撤廃
<環境>
原則7:環境問題の予防的アプローチ
原則8:環境に対する責任のイニシアティブ
原則9:環境にやさしい技術の開発と普及
<腐敗防止>
原則10:強要・賄賂等の腐敗防止の取組

 背景には、1990年代に途上国で行われた多国籍企業による児童労働への関与、軍政下の人権弾圧への加担等がある。1999年アナン国連事務総長(当時)が、政府や国連による企業規制ではなく、企業自らが倫理観をもって行動することでこの問題を解決していく方向性を提唱し、2000年グローバル・コンパクトに賛同するネットワークが発足した。現在、世界で6,000を超える企業・NGO・市民団体・大学・自治体等が参加している。
 さらに10原則補完の取組として、2010年には国連女性開発基金UNIFEM(現UN Women)と共同で、女性の人権について企業等が活用するためのガイドライン「女性のエンパワーメントのための原則」を策定した。男女平等推進と女性の能力活用のための7原則を掲げ、実施を推奨している。(2012.2)

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