キーワード・用語解説

サービス・ラーニング

奉仕(サービス)と学習(ラーニング)を結びつけた教育方法。地域へのボランティア活動から体験的に学び、社会に対する責任感を養うことをめざしたもの。
 サービス・ラーニングは、現実の問題解決を通して学ぶ「経験学習」を伝統的に重視するアメリカで生まれた。1980年代後半から全米に普及し、日本でも1990年代から「生きる力」形成の一環として取り入れられている。近年では、大学の社会的責任として地域社会のニーズに応えようという意識が高まり、この手法を学部の正規の教育課程に導入する動きが広がっている。
 基本的には「事前準備」「活動」「ふり返り」の3段階で設計される。「事前準備」では地域の課題を探り、解決に向けた目標を設定する。「活動」では、地域の連携先と共に実際の活動に取り組む。「ふり返り」では目標の達成度を評価し,すべてのプロセスからどのようなことを学んだかを分析する。
 不法投棄問題への取組から背景にある要因を考えたり、地域イベントの実施から一面的には捉えられない複雑な地域の現実を知るなど、実践例からの多様なふり返りが報告されている。また地域の連携先があってこそ貢献活動ができるという「互恵性」に気づいたり、知識不足を痛感して大学での専門学習の重要性を再認識する場合もある。価値ある社会参加ができたという認識が自立心や自尊感情を高め、自己実現や将来目標設定につながるなど、主体的な進路選択能力の育成をめざすキャリア教育からも効果が期待されている。(2011.8)

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