キーワード・用語解説

ワーキングプア

長時間働いても生活保護の受給水準を下回る収入しか得られない労働者やその世帯。「働く貧困層」とも言われる。
 1980年代以降、米国等先進国で新自由主義の経済政策導入の結果、浮上した雇用問題。日本では、90年代のバブル経済崩壊以降、人件費を抑制するため経営側が正社員の雇用を抑制し、アルバイトや非正規社員の採用を拡大したため、長時間働いても生活に必要な最低限の収入さえ得られない、不安定な雇用労働者が増加した。「世界の雇用情勢摘要2007年版−女性編・英語」(2007年国際女性の日(3月8日),ILO発表)によると、女性の労働力人口(2006年)は世界全体で12億人と過去最高となったが、失業女性も過去最高(8,180万人)で、就業上の地位、雇用保障、賃金、教育などにおける男女間格差が「働く貧困層の女性化」の大きな要因となっている。働いていながら収入が1ドル(1人,1日)以下の貧困線を下回る「働く貧困層」の約6割が女性と推計されている。
 日本では、最低賃金を生活保護の給付水準以上に引き上げることを盛り込んだ改正最低賃金法の制定(2007.11.28)や、母子家庭に対する児童扶養手当削減(2008.4施行予定)の対象者を限定して(受給期間が5年を超え、傷害や疾病などで就業が困難な事情がないにもかかわらず、就業意欲がみられない者に限定)事実上の凍結を図るなど、対策を講じているが、解決への道筋は見えていない。(2008.2)

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