キーワード・用語解説

コミュニティファンド

特定の地域やコミュニティにおいて、さまざまな課題解決に取り組む民間事業に対して、市民が少額出資をして運営されるファンド(資金)をコミュニティファンドという。「地域のお財布」とも呼ばれ、90年代金融不安を背景に市民の協同組織金融機関として注目され、現在増加しつつある。地域における人的ネットワークを通じた「顔の見える関係」を活用し、融資の審査は担保ではなく事業の実態を重視。NPOや起業者などのコミュニティビジネス、コミュニティサービスの事業者に低利で資金を提供する。信用組合など既存の地域金融機関の担保主義を排し、持続可能な地域社会に貢献するために資金を還流する発想である。基金は、積極的に自分のお金を社会で役立てたい人や地域活性化、人材育成に自分のお金を生かそうとする人たちから、寄付や出資などの方法で集める。融資などの運用は、プールされた基金の運用益を配分して助成を行うものと、調達した資金そのものを配分するものがあり、現代版“頼母子講”または“無尽”。神戸、新潟などの地震災害復興のためのファンドや、街づくり、環境、福祉、子育て支援など、分野・ミッション・支援対象者を絞ることが大切とされる。コミュニティファンドの担い手の多くは一般市民や民間セクターで、金融業のプロではない。そのため、法人制度や税制改革の動向を視野に入れつつ、設立・運営をバックアップする中間支援組織もできている。地域通貨とファンドの連携など多様な展開が今後、期待される。(2007.1)

  • フリーワード検索
ENGLISH サイトマップ キーワード・用語解説