キーワード・用語解説

ソーシャル・キャピタル

さまざまなコミュニティの形成や維持・増進に役立つ関係性の概念で、社会関係資本、人的関係資本などと訳される。定義は一様ではないが、「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる<信頼><規範><ネットワーク>といった社会組織の特徴(パットナム、米政治学者)、あるいは「規範や価値観を共有し、お互いを理解しているような人々で構成されたネットワークで、集団内部または集団間の協力関係の増進に寄与するもの」(OECD)などと定義される。道路や橋など社会的インフラである「社会資本」や、教育によるスキル・資質・知識のストックなど、個人属性である「人的資本(ヒューマン・キャピタル)」と区別される。この概念は、対象のつながり方から、次の3タイプに分類される。1)結合型:組織の内部における人と人との同質的な結びつき。内部で信頼や協力、結束を生む“社会の接着剤”とも言える強い絆で、内部志向的。排他性の危険もある。2)橋渡し型:異なる組織間における異質な人や組織を結びつけるネットワーク。結びつきは弱く、薄いが、横断的なつながりを持つ。“社会の潤滑油”としての役割を果たす。3)連結型:権力、社会的地位や富に対するアクセスが異なる社会階層の個人や団体をつなぐ関係。例えば、コミュニティの範囲を超えて公的機関から資源や情報を活用する能力。ソーシャル・キャピタルは、個人・地域・国家のあらゆるレベルで適用され、NPOの促進・ジェンダー・環境・教育・開発・犯罪対策など政策推進のための有効な概念として注目されている。(2006.8)

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