ワーク・ライフ・バランス
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和=Work-life Balance)は、仕事と私生活の両立を支援することで、業務効率を図り、生産性を高め、かつ優秀な人材の確保、モラル向上などをめざすもので、主に企業戦略として欧米の産業界で取り組まれてきた概念である。米国の取組を紹介すると、1980年代にワーキング・マザーが急増し、さらに技術革新による産業構造の変化により優秀な女性労働者の需要が高まったことから、まずワーク・ファミリー・バランス(働く母親の仕事と家庭の両立支援)が始まった。1990年代になって、すべての労働者の私生活に配慮した制度やプログラムを実施することによる企業の業績アップをめざすワーク・ライフ・バランスが始まった。しかし福祉的イメージが強かったため制度の活用が広がらず、90年代半ばに、仕事のやり方や既成概念を見直して仕事を再設計する研究が進められた。その結果、成果が企業利益に偏ることなく、仕事のやりがい・家族関係・健康・自己成長・精神的安らぎなど個人的にもメリットをもたらす方法が、ワーク・ライフ・バランス成功のカギであることが明らかにされた。人々の労働への価値観やライフスタイルが多様化する中で、日本でもワーク・ライフ・バランスは注目されつつあるが、導入もしくはその動きが見られるのはまだ一部の企業である。男女共同参画の観点からも、基本計画の重点目標「男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援」の促進に向けて、ワーク・ライフ・バランスの視点に立った企業環境の整備が望まれる。(2005.7)
関連用語
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
ディーセント・ワーク
パパクオータ制
育児・介護休業法
マタニティ・ハラスメント
限定正社員
マミー・トラック
若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)
仕事の未来世界委員会
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