「倫理に関するガイドライン」(公財)日本陸上競技連盟
セクシュアル・ハラスメントは、職場や学校だけではなく、スポーツ界においても問題が顕在化している。(公財)日本陸上競技連盟では、2002年9月、「セクシュアル・ハラスメント及び暴力行為の防止に関するガイドライン」を公表した。その中でセクシュアル・ハラスメントをなくすために「性的言動、表現に対して、男性と女性とでは受け止め方に違いがあることを念頭に置く」など8項目を挙げ、17の具体例を示して、役員・指導者及び競技者が指導や体調管理を行うときは誤解を与えないよう配慮を求めている(相手に接するときは、直接肌に触れることは避けて着衣の上からとする/個室等で競技者に接することを避ける/性的な批評/冗談、猥褻なうわさ話、性に関する中傷/性に関する悪ふざけ/性的な注目や誘い、親密な関係を迫る/身体への接触、愛撫、つねる、キス/性的な暴力行為 /身体的特徴に触れる 等)。欧米では、オリンピック委員会・各競技団体や行政がガイドラインを制定してスポーツでのセクシュアル・ハラスメント防止に積極的であるという。日本では、スポーツ界全体として対策を考える動きは鈍い。これまで男性指導者が女性の競技者にスポーツマッサージやテーピングなどを施すことは何ら問題とされていなかった。指導者とアスリート(競技者)の親しい信頼関係の中で、指導者のハラスメントなど職権乱用を防止する対策は、アスリートの人権尊重という点で重要である。スポーツ人口の裾野は広い。あらゆるスポーツの場面で身体への接触、性的言動についてモラルを形成するためにガイドラインは最初の一歩である。(2003.5)
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