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コレクティブ・ハウス

コレクティブ・ハウス（collective house）とは、共同居住型集合住宅のことである。それぞれの独立した居住空間を確保しつつ、いくつかの共有スペースを設けて、住人同士が生活の一部を共同で行うという、住宅と相互扶助を組み合わせた住まい方である。もともとは共働きの多い北欧で生まれた方式で、個人のプライバシーを尊重しながら、共有スペースを活用して家事や子育てなどを共同で営む。住宅は、家を所有するという意識があると共同で生活する暮らしの基盤をつくっていくことが難しくなるため、賃貸住宅であることが特徴である。近年、我が国でも、家族形態の多様化の中で、既成の家族概念・住宅概念にとらわれない住まいづくりを試みるケースが各地で見られるようになってきた。阪神・淡路大震災に見舞われた兵庫県では、復興住宅の一部に食事や団らんなどの共同の場を備えたコレクティブ・ハウスを取り入れている。高齢社会においては、高齢者の自立支援は重要な課題の一つであるが、従来の家族の枠を超えた広く豊かな人間関係の中での「共生」を可能にするこのような住環境づくりは、今後ますます注目されていくことだろう。（2002.7）