エイジズム
年齢差別、特に高齢者に対する偏見と差別をいう。高齢者を、役に立たない無用なもの、あるいは能力の劣ったものといった否定的なステレオタイプでとらえ、差別すること。セクシズム(性差別)、レイシズム(人種差別)と並ぶ主要な差別問題の一つとされる。1969年に、アメリカの老年医学者ロバート・バトラーによって初めて使われた言葉で、バトラーは、「年をとっているという理由で高齢者たちを組織的に一つの型にはめ差別すること」と規定している。一般的に若いことに価値があるとみなす傾向は根強く、特に女性は若さで価値付けられるような社会的抑圧があり、セクシズムとエイジズムの両方にさらされている。高齢者の社会的差別の代表的な例としては、退職の強制、中高年者に対する就業差別、居住家屋から高齢者を追い出すことなどが挙げられる。我が国の65歳以上の高齢者人口比率は20.1%で、高齢になるほど女性の割合が高く、65歳以上では男性の1.4倍、75歳以上では1.7倍、80歳以上で2.1倍である(2005年総務省発表)。つまり高齢者が直面する問題は、女性に対してより大きな影響を与える。介護にまつわる高齢者虐待も、在宅介護での被害者の7割が女性との調査結果もある。本格的高齢社会を迎えた今、若さや効率に価値をおくのではなく、高齢者の能力をもっと活用し、誰もが生き甲斐のある生活ができる社会システムづくりが求められている。(1997.12)
関連用語
ジェロントロジー(gerontology)
更年期
QOL(クオリティ オブ ライフ)
ADL(日常生活能力)
高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)
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