「呼び寄せ」老親
最近、都市で生活している子どもが、地方にいる老親を呼び寄せるケースが目立つ。老親の側からは呼び寄せられるということになるが、高齢者の問題を考える動きとしても注目されている。このきっかけは、東京都町田市が1993年6月に行った「短期間居住の高齢者とその家族の生活に関する調査」である。1960年代の高度経済成長の下、人口の都市集中化が猛スピードで進行したが、その結果、高齢者が地方に取り残され、若夫婦は都市に居住するという家族の分断が生じた。長年住み慣れた郷里を離れ、高齢期を新たな地で住まう老親にとって、家族との日常生活や地域交流の状況、および福祉サービスなど、きめ細かく配慮していく必要があろう。(1993.11)
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