キーワード・用語解説

非嫡出子

非嫡出子は法的な婚姻関係にない男女から生まれた子どもで、婚外子とも言われ、かつては私生児・私生子と呼ばれてきた経緯もある。これまで戸籍や住民票の続柄記載に嫡出子との違いがあったが、住民票は1995年3月に「子」に、戸籍は2004年11月に「長男」「長女」など嫡出子と同様の記載がされることになった。非嫡出子の場合、親権は原則母にあり、認知によって初めて父親との法的親子関係が生じる。また姓については、非嫡出子は母の姓を称する。法定相続分については、非嫡出子は嫡出子の2分の1である。法制審議会は、1996年選択的夫婦別氏制度の導入とともに非嫡出子の相続分差別を撤廃する民法改正を答申したが、“法律婚の保護”の意見が強く、いまだに国会には上程されていない。現在、ほとんどの先進国では差別が廃止され法の適用に差がない(アメリカやスウェーデンでは嫡出・非嫡出の区別を廃止)。価値観が変化し、結婚や家族形態も多様化して事実婚が増えている。生まれてくる子どもの人権を守るという観点から法制審議会の民法改正の動きが注目される。(1993.8)

 2013年12月、民法の一部が改正され、法定相続分について、非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分と同等となった。これは同年9月、最高裁が「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」とする民法の規定を、法の下の平等を定めた憲法14条に反し、違憲と判断したことを受けたものである。(2016.10追記)

関連用語

国籍法一部改正

  • アルファベット検索
  • フリーワード検索
ENGLISH サイトマップ キーワード・用語解説